20歳前後から64歳までを成人期といいます。人生の中で最も充実した時期で、多くの人が仕事中心の生活を送ったり、結婚して子育てをしたりします。しかし、この成人期は、ストレスや運動不足のほか、忙しさから生活が不規則になったり、外食や飲酒の機会が増えて栄養バランスが大きく崩れたりと、健康を妨げる要因が一気に増える時期でもあります。過食やまとめ食い、運動不足による生活習慣病を招く原因となるので注意が必要です。成長のために栄養を摂っていた時期と違い、生活状況にあわせた栄養摂取を心がけ、この成人期にきちんとした食生活を送ることが、その後の人生を健康に過ごせるかどうかの重要なポイントとなります。
成人期の栄養
成人期は、栄養不足よりもエネルギーの過剰摂取が問題になりますが、事務から体力勝負の仕事まで様々な職業の人がいるため、全ての成人が同じエネルギーを摂ればいいわけではありません。そのため、普段の生活で活動する量の度合いと年齢から、理想のエネルギー摂取量が決められています。エネルギー必要量とは呼吸したり、消化吸収など生命活動に最低限必要なエネルギーである基礎代謝と毎日の生活活動のなかで消費される労作代謝(活動代謝)量を足したものです。
成人期の特徴
肉体的にも精神的にも若い成人期の前半は忙しく、食事に無頓着になりがちという特徴があります。成人期の後半から細胞や組織の活動力が衰えることにより、老化現象の障害が起こり始めます。更に免疫力の低下などによる様々な質病が現れ始めます。