2012年6月5日火曜日

成人期の栄養【健康を守る栄養知識】


20歳前後から64歳までを成人期といいます。人生の中で最も充実した時期で、多くの人が仕事中心の生活を送ったり、結婚して子育てをしたりします。しかし、この成人期は、ストレスや運動不足のほか、忙しさから生活が不規則になったり、外食や飲酒の機会が増えて栄養バランスが大きく崩れたりと、健康を妨げる要因が一気に増える時期でもあります。過食やまとめ食い、運動不足による生活習慣病を招く原因となるので注意が必要です。成長のために栄養を摂っていた時期と違い、生活状況にあわせた栄養摂取を心がけ、この成人期にきちんとした食生活を送ることが、その後の人生を健康に過ごせるかどうかの重要なポイントとなります。

成人期の栄養

成人期は、栄養不足よりもエネルギーの過剰摂取が問題になりますが、事務から体力勝負の仕事まで様々な職業の人がいるため、全ての成人が同じエネルギーを摂ればいいわけではありません。そのため、普段の生活で活動する量の度合いと年齢から、理想のエネルギー摂取量が決められています。エネルギー必要量とは呼吸したり、消化吸収など生命活動に最低限必要なエネルギーである基礎代謝と毎日の生活活動のなかで消費される労作代謝(活動代謝)量を足したものです。

成人期の特徴

肉体的にも精神的にも若い成人期の前半は忙しく、食事に無頓着になりがちという特徴があります。成人期の後半から細胞や組織の活動力が衰えることにより、老化現象の障害が起こり始めます。更に免疫力の低下などによる様々な質病が現れ始めます。


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成人期の消費エネルギー

成人期のエネルギー所要量は、生活活動量の多さや年齢、身長などで変わります。例えば、工事現場で働く人と受付の仕事を行う人では、同じ年齢、同じ身長であっても、消費エネルギー量の違いからエネルギー摂取量は違います。また、読書や会話、レジャーなど基本的動作によってもエネルギー摂取量は変わります。このような日常生活における運動量の度合いを身体活動強度といいます。

成人期の栄養摂取の問題点

成人期は睡眠不足や不規則な生活、身体的・精神的ストレスにさらされやすい時期です。不規則な生活により、外食や飲酒、喫煙の機会も多く、結果的にバランスの悪い食生活を送ることになります。特に成人期は消費エネルギーよりも摂取エネルギーの方が多く、これが肥満へとつながり、内臓脂肪の増加によるエネルギー代謝異常、高血圧、高脂血、高血糖や糖尿病などの生活習慣病を引き起こす原因となるので注意が必要です。摂取エネルギーを無理なく減らすには、脂質の多い食物を減らし、ビタミン・ミネラルの多い野菜をたっぷり摂り、お酒や煙草は控えめにするといった工夫が大切です。


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朝食抜きと痩せにくい体質

20歳~24歳の男性で2割弱、女性で4割弱が朝食を抜くという統計データがあります。朝食を抜くと昼や夜にまとめ食いをしやすくなります。それによって脂肪を溜めやすい体になってしまい、エネルギー代謝異常からくる冷え性やむくみの連鎖で更に脂肪が蓄積されるようになります。更に生活習慣病を引き起こす原因にもなります。接待や付き合いなどで不規則な生活になりがちな成人期なので改善するのは難しい部分もありますが、朝食にクッキーや牛乳など、なるべくなら炭水化物を含む食品を食べるように心がけてください。

成人期の栄養摂取方針と食習慣改善

成人期から中年期、老年期へ向けて、心身ともに健康を維持するための各栄養素の栄養摂取方針と食習慣改善の目標7項目を挙げます。

成人期の炭水化物・糖質摂取

炭水化物(糖質)はエネルギー源(特に脳や神経)なので不足させてはいけませんが、過剰摂取は中性脂肪となり、肥満の原因となります。1日の消費エネルギーに対して60%の割合で炭水化物を摂取することが理想的です。食物は菓子や果物よりも、糖質の消化吸収が緩やかな、デンプンが主成分のごはんや芋類の方が食べ過ぎを防止できます。


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成人期の脂質摂取

1日の消費エネルギーに対して20%~25%の脂質摂取が理想的です。しかし、外食などに頼る方が多いため25%をはるかに超える量を摂取してしまい、エネルギー過剰の状態が慢性化するために肥満の原因となっています。脂質摂取の内容としては、悪玉コレステロールを増やす飽和脂肪酸が多く、善玉コレステロールを増やす不飽和脂肪酸のなかでも多価不飽和脂肪酸の摂取機会が激減しています。脂質も体の機能を正常に保つ生理作用があるので、量よりも質を重んじ、植物、魚、動物の脂肪をバランスよく摂取する必要があります。

成人期のたんぱく質摂取

たんぱく質摂取は、性別や生活習慣、妊婦・授乳婦など生活状態の変化で多少異なりますが、1日あたり男性が70g、女性が55gを目標に摂取することが推奨されます。たんぱく質を構成するアミノ酸も食品によって種類が違うため肉類に偏らないように様々な食品から摂取するように心がける必要があります。因みに大豆たんぱく質にはコレステロール値を下げる働きがあるといわれています。

成人期のミネラル・ビタミン摂取

ビタミン・ミネラルは生命活動を維持するために欠かせない栄養素のひとつです。外食や偏食によって欠乏したり、逆に過剰摂取になる場合もあります。外食をしても野菜や果物と一緒に食べる習慣を身に付けてください。また健康食品に頼る方は、食生活で何が足りないのかを知らずして使用すると極度にバランスが崩れ、体に害を及ぼすものもあるので細心の注意が必要です。ビタミン・ミネラルについては1日の摂取基準が年代別に定められています。


成人期の食物繊維摂取

外食や偏食などにより食物繊維の摂取機会がどうしても少なくなってしまいます。ビタミン・ミネラルも一緒に摂る心構えで野菜を多めに食べる必要があります。目安としては1日20g~25gの食物繊維を摂取することです。特に女性の場合、無理なダイエットや食事抜きの習慣のため便秘の方が多いので、太りにくく痩せやすい体質をつくるために必要な食物繊維を意識して摂取する必要があります。

成人期の食習慣改善
いろいろなものをバランスよく食べる。
塩分を控えめにして高血圧と胃がん予防。
緑黄色野菜を摂取してビタミン・ミネラル補給。
適切な食事量の確保と食物繊維摂取で便秘の予防と改善。
カルシウムを十分摂取して骨を健康に保つ。
外食と飲酒は控えめにする。
間食と脂肪の取り過ぎに注意して心疾患予防。

肥満度をBMI指数でチェック

成人の肥満度がわかるBMI指数の自動計算スクリプトを利用して、肥満度をチェックしてください。身長と体重を入力するだけで現状の肥満度と理想体重が分かります。定期的にチェックすることによって、肥満度や体重の推移をグラフ化、HTML出力が可能です。



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